『女性なんだから』という呪縛

先日、仕事で 工事中のお客様にお叱りを受けることがありました。

 

わたしは現場監督として働いているのですが、突然営業担当より、お客様がわたしに対して激怒しているとの連絡が。

 

ただ、話を聞いてみると内容は実はわたしの職務ではなく、営業担当の担当業務の怠慢によるもの。

お客様は誰がどの仕事をしているかはわからないと思うので、今一番接する機会が多いわたしへの職務怠慢と思いお怒りになったようです。

数名いる担当者の中でわたしが一番若いので、そこも不安要素に感じたのかもしれません。

 

その筋違いのクレームへのムシャクシャ、営業担当の悪びれず責任をわたしに押し付ける態度にはかなりイライラしましたが、お客様には誰が悪かろうが関係のないことですので、わたしが代表して謝罪に伺いました。

 

結果としては和解できたのですが、この理不尽な怒りはさておき、お客様からのお叱りの言葉に、わたしはとても複雑な思いをしました。

 

お客様が怒ってしまったのは、弊社の(営業担当の)事務手続きの案内が遅かったことです。

 

実はお客様は臨月が近い妊婦さん。

すでにおなかもかなり大きく、いつ産まれてもおかしくない状態です。

そんな状態で建築という大きな事案に関わる手続きをするのは確かにものすごく大変なことです。

 

その肉体的にも精神的にも不安な状態の中でやっとの思いで時間を作り手続きに赴いていただいたにも関わらず、営業担当の案内不足があり、お客様が二度手間、三度手間を被ることになってしまったのです。

 

仰られる内容はとても理解できました。

大きくなっていくおなか、すでにいらっしゃる幼い男の子の世話、仕事、、、。

どれをとっても、奥様はいっぱいいっぱいなのだと思います。

 

たしかに我々ももっと気遣って差し上げるべきだったと反省しましたし、涙を浮かべながら話される奥様を見て、胸が苦しくなりました。

 

しかし、その席で、奥様のお母様に、

『この子も妊婦なんだから配慮してほしい。』と言われたあと、

『あなたも女性なんだからもっと気を遣ってよ』と言われたことにひどくモヤモヤしてしまいました。

 

女性なんだから。

 

そうかもしれない。

 

女性なんだからわかるでしょ、と言いたくなるのも最もかもしれない。

 

 

だけど…

 

正直、わからないのです。

 

子どももいない、思いっきり仕事をしているだけのわたし。

奥様の状況に理解はできるものの、想像の世界でしかありません。

 

そうか、女性だから、そういう目で見られるのか。と。

なんだか急に冷静に、複雑な気持ちになってしまいました。

 

子どもがほしくてほしくて、でも出来なくて、だけど仕事では子連れのお客様に心から配慮して。女性なんだから。

 

もちろん、これは仕事ですから、わたしはお客様の要望に応えなくてはいけませんし、怒られても、罵倒されても、仕事はきちんとやります。

私情は挟んではいけません。

 

わかってはいるけれど、いざ相手からそれを強要(?)されたとき、改めて子どもがいないことをネガティブに感じてしまいました。

 

お客様もべつに悪気があったわけではないんですけどね。

 

 

わたしの仕事は完全に男性社会のため、女性のわたしが働くにあたり 事あるごとに“女性らしさ”を求められて来ました。

『女性なんだから、仕事は細かいわよね』

『女性なんだから、これは出来ないんでしょ?』

『女性なんだから…』

『女性なんだから…』

 

これは、この仕事を続けていく上では呪縛のようにわたしにまとわりつきます。

 

仕方のないことですが、『育児の大変さや出産前の不安な気持ちを理解してほしい』という内容は 今のわたしにはなかなかドシンときたのでした。

 

わたしも、『女性なんだから』、育児の大変さも、出産前の不安な気持ちも、わかってあげたい気持ちは山々なんですけどね。。。

 

いつか、本当の意味で寄り添える日が来るんでしょうか…。